2010年 12月 18日
なごりの紅葉 |
ブログをお訪ねくださる皆さまのなかには、ながく日本の外に暮らしていらっしゃって、お正月をむかえてのお里帰りがほんとうに楽しみというお話を伺うと、どうぞいい旅、いいご滞在でありますようにと願うばかりです。
その日本の街のたたずまいも、年々うつろい変わって、出かけるたびに、おなじみの店の姿がなくなったりと、さびしい思いをすることが多くなりました。
そんな中でも、やはり自然は変わらずに四季があって、心にちゃんとメリハリをつけてくれます。
ことしも、うちでは嵐山にも高雄にも出かけずじまいのまま、庭にたった一本のイロハカエデが、いまなごりの紅葉を見せてくれています。
sesentaの母親のお友達が、むかし哲学の道沿いにお住まいで、お庭にあった鉢植えのカエデをいただいたもの。ここに移って土に下ろしたものですからもう40年も前のこと。見上げる高さになって、午後の日ざしを葉裏から見るとまだ青みの残ったのから、黄色、朱色と友禅の図柄のようです。
そんな今日の、畑からのいただきものはお大根とまだ若くてやわらかい水菜。
お大根は面取りしてゆがき、ふろふきに。お味噌とゴマペーストをあわせ、お出汁でゆるめてかけました。やわやわとやさしい水菜は、新鮮なのでさっとお湯に通して。ゴマと辛子をまぜて当たり、みりんとうす口醤油少々をまぜた辛子和え。
適当な器が見つからなかったので、あえた当たり鉢のままで食卓に出したところで、二人で顔を見合わせて「七度狐だー」。
上方落語の「七度狐(しちどぎつね)」というお話のはじめに、旅人ふたりが立ち寄った一膳めし屋で、食べるものがない腹いせに、誂えものの白あえを当たり鉢ごと盗んで逃げる。
野良でたらふく食べた旅人が空になった鉢を放り出したところに、運わるく狐が寝ていて、そこから延々と狐に化かされ話が続くという、sesentaお気に入りの一席。
すり鉢で和えものを作ると、必ず思い出すお話で、また逆にこの落語を聞くとなんとなく白あえが食べたくなるという、こまった食いしんぼう、今回もまた、花より団子になりまして、すみません。
[sesenta追記] 上の落語で「白あえ」としているのは、「木の芽和え」とするつもりで書き間違えた、書き込み係の校正ミスで、すみません。五郎島金時さまのコメントありがとうございました。ご同好さまがおいでで、よろこんでおります。そういえば、ずいぶん前に「ジェノベーゼ和え」などというのも出ていました。
その日本の街のたたずまいも、年々うつろい変わって、出かけるたびに、おなじみの店の姿がなくなったりと、さびしい思いをすることが多くなりました。
そんな中でも、やはり自然は変わらずに四季があって、心にちゃんとメリハリをつけてくれます。
ことしも、うちでは嵐山にも高雄にも出かけずじまいのまま、庭にたった一本のイロハカエデが、いまなごりの紅葉を見せてくれています。
sesentaの母親のお友達が、むかし哲学の道沿いにお住まいで、お庭にあった鉢植えのカエデをいただいたもの。ここに移って土に下ろしたものですからもう40年も前のこと。見上げる高さになって、午後の日ざしを葉裏から見るとまだ青みの残ったのから、黄色、朱色と友禅の図柄のようです。
そんな今日の、畑からのいただきものはお大根とまだ若くてやわらかい水菜。
お大根は面取りしてゆがき、ふろふきに。お味噌とゴマペーストをあわせ、お出汁でゆるめてかけました。やわやわとやさしい水菜は、新鮮なのでさっとお湯に通して。ゴマと辛子をまぜて当たり、みりんとうす口醤油少々をまぜた辛子和え。
適当な器が見つからなかったので、あえた当たり鉢のままで食卓に出したところで、二人で顔を見合わせて「七度狐だー」。
上方落語の「七度狐(しちどぎつね)」というお話のはじめに、旅人ふたりが立ち寄った一膳めし屋で、食べるものがない腹いせに、誂えものの白あえを当たり鉢ごと盗んで逃げる。
野良でたらふく食べた旅人が空になった鉢を放り出したところに、運わるく狐が寝ていて、そこから延々と狐に化かされ話が続くという、sesentaお気に入りの一席。
すり鉢で和えものを作ると、必ず思い出すお話で、また逆にこの落語を聞くとなんとなく白あえが食べたくなるという、こまった食いしんぼう、今回もまた、花より団子になりまして、すみません。
[sesenta追記] 上の落語で「白あえ」としているのは、「木の芽和え」とするつもりで書き間違えた、書き込み係の校正ミスで、すみません。五郎島金時さまのコメントありがとうございました。ご同好さまがおいでで、よろこんでおります。そういえば、ずいぶん前に「ジェノベーゼ和え」などというのも出ていました。
by sesenta
| 2010-12-18 20:30
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Comments(8)
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at 2010-12-18 20:55
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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五郎島金時
at 2010-12-18 22:02
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うわ〜
お大根と水菜がメチャメチャ美味しそうです!
清やん喜六よろしく、鉢を担いで逃げたくなります(笑)
この落語大好きです!
普段は江戸の落語になれてますが
上方落語はお囃子が効果的に入って楽しいですよね♪
米朝さんとお弟子の文珍さんしか聴いたことないのですが
そこでは「イカの木の芽和え」でした
白和えの方はどなたかお教えいただけると嬉しいです〜
お大根と水菜がメチャメチャ美味しそうです!
清やん喜六よろしく、鉢を担いで逃げたくなります(笑)
この落語大好きです!
普段は江戸の落語になれてますが
上方落語はお囃子が効果的に入って楽しいですよね♪
米朝さんとお弟子の文珍さんしか聴いたことないのですが
そこでは「イカの木の芽和え」でした
白和えの方はどなたかお教えいただけると嬉しいです〜
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at 2010-12-19 12:08
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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no-oy at 2010-12-19 16:52
まだ京都は紅葉がきれいなんですね(^-^)。
北はこの週末の雪が根雪になりまして(春まで溶けない雪のことです)、部屋に閉じこもって暖かいストーブの前に張り付き、シチューやスープを煮ながらのDVD鑑賞が何よりの幸せというシーズンになりました。
とはいっても、仕事や作業や買い物で、結局は外に出かけて震えながら戻ってくるんですけどね。
こちらの地物野菜はそろそろ根菜ばかりになりつつあってちょっとさびしいので、ブログの鮮度を楽しみに見てますね。
北はこの週末の雪が根雪になりまして(春まで溶けない雪のことです)、部屋に閉じこもって暖かいストーブの前に張り付き、シチューやスープを煮ながらのDVD鑑賞が何よりの幸せというシーズンになりました。
とはいっても、仕事や作業や買い物で、結局は外に出かけて震えながら戻ってくるんですけどね。
こちらの地物野菜はそろそろ根菜ばかりになりつつあってちょっとさびしいので、ブログの鮮度を楽しみに見てますね。
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M.S.
at 2010-12-20 13:43
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「七度狐」よく聞いたものです。上方落語でおなじみの喜ィさんと清八っつあんが、大阪から伊勢神宮へお参りをする往復道中がいろんな噺を含む、「伊勢参宮神乃賑」とか「東の旅」と言う、長編落語になってまして…もともと、この噺の「発端」なんかを聞くと分かりますが、前座さんが、口が回るようにーつまり稽古用の噺ですね。尤も、中でも「七度狐」や、京都から大阪への帰り道を描いた「三十石夢乃通路」(故人になった六代目松鶴師、五代目文枝師、現役では松之助師が良かったですね)は、堂々とした師匠クラスでないとこなせない噺です。落語好きで、「イカの木の芽和え」からいろいろ思い出しました、ありがとうございました。
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poki02 at 2010-12-20 15:43
美味しそうなお料理。いつも楽しませてもらっています。
最初に「花巻」を探していたらたどり着き、ファンになったのです。
(花巻、美味しく作れました。ありがとうございました。)
この度、私も日記を書き始めましたので、
是非遊びに来てください。
12月・・・まだ紅葉が綺麗ですね。
私の住む高原はもう雪です。
最初に「花巻」を探していたらたどり着き、ファンになったのです。
(花巻、美味しく作れました。ありがとうございました。)
この度、私も日記を書き始めましたので、
是非遊びに来てください。
12月・・・まだ紅葉が綺麗ですね。
私の住む高原はもう雪です。
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watapoco
at 2010-12-22 01:27
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カエデのエピソード、何て素敵なんでしょう。
40年もの年月を、一緒に過ごしてくれる人と、植物があるのって、素晴らしいです。
40年もの年月を、一緒に過ごしてくれる人と、植物があるのって、素晴らしいです。