晴れの日があると、5月はなにかとちょっと忙しくなります。
そのひとつが山椒の実採り。ついひと月ほどまえに木の芽を摘んで、そのあと小さな花がたくさんついたのを見たばかりでしたのに、房になった実が、もうこんなに大きくなりました。

とにかく、ここはもとが痩せた土というのか、砥の粉にするような土くればかりの土地でしたから、畑にしても農作物のできはあまり望めませんでした。
そんな土質が合っているらしい植物だけは、好んで住みついてくれて、山椒の木もその仲間です。
自分たちでは、苗を植えた覚えなどさらさらないのに、きっとトリさんたちが運んでくれたのでしょう、気がつくとここにも、あそこにもという間近に芽を出したのが、けっこう立派に育っています。
山椒の苗が欲しいとおっしゃる方があると「いくらでもどうぞ」とお持ち帰りいただくのですけど、やっぱり枯れてしまったと聞くことも多くて、けっこう土地との相性があるもののようです。
ここ数日、ひまをみてはそんな庭のすみの、山椒の茂みに二人で頭をつっこんで、作業してました。
トゲが多くて、外でこまかい仕事をしていられないので、ざっと摘んだのを200g,300gと袋につめては、お向かいの皆さんにもらっていただきます。
うち用にのこったひと袋は、とりあえず何にでも使えるように、うす味をつけて保存。
山椒の実はじくを大まかにとり、ざぶっと洗ったあと水を切って、ひたひたくらいのうす口しょうゆでひと煮たちし、しばらく浸けておいてから、しょうゆを切って、冷蔵庫へ。
これを使って、せっかくなので京名物のまねごとをちょっと。鍋でちりめんじゃこを炒り,上の山椒を加えて炒っていちど引き上げておきます。鍋にみりん、酒,しょうゆを入れて煮立て,じゃこと山椒をもどして、からめてでき上がり。
ほんものの京都の「ちりめん山椒」といえば、もちろんこんな簡単ではなく、じっくり炊き上げるもののはずですけど、ちりめんじゃこそのものの塩分のことも考えて、うち流におしょうゆもほんのちょっぴりの作り方で、こんな仕上げになりました。
ひとつひとつ実のじくを取るテマしごとは省いたので、「食べる人が気をつけて」という手ヌキぶりで、まあこれがわが家の「ちりめん山椒」。さっぱりとかるい味わいでめずらしくお代わりもして、ワンコと残りごはんの取り合いになりそうでした。