やわらか水菜の巣ごもり玉子

お客さまのあとの、ほっと肩の力の抜けた、ぼんやりした時間が好きです。

だんだんにほぐれてくる気分に、いちばん効くのは、庭におりて何をするでもなく、土に触ってお日さまを浴びていること。週の始まりで、もう朝から忙しくしていらっしゃる方も多いのに、申し訳ないこと、と思いながら陽だまりにすわっていました。

ぼんやり辺りを見回すと、この季節、そこここに紫いろの花がきれいです。サフランは、咲いてすぐに全部しぼんでしまったのが寂しいですけど、そのわきに大好きなノコンギクがたくさん花をつけてます。

西側に回ると、ここは植えっぱなしのアメジストセージとラベンダーセージが、これで季節の終わりを告げるように、まだたくさん花をつけています。

お客さまが持ってきて下さったお花を、テーブルに並べたら、これもやはり紫いろ、思わぬコラボレーションになりました。

まだ若い水菜をお向かいからいただいたので、これを朝ごはんに。

ベーコンを大きいままフライパンで焼いて、よく油を出し、そこへ洗ってざくざく切った水菜を入れて、ざーっと炒めます。火が通ってしんなりしたら、水菜を少しかき分けて玉子を落として焼きます。

冬のさなかで、水菜が大きい株になるころには、少し固くなりますので、とても繊細で柔らかい、いまの時季のものでないと、こんなふうに食べられません。

すこし半熟ぎみの玉子をくずして、水菜とベーコンにからんだのを、ちょっとトーストしたパンにのせると、お気に入りの初冬のごちそうです。

お客さまのために作ったお料理は、全部パックにしてお持ち帰りいただいたので、持ちにくくてこれだけが残った、じゃがいもと長ネギのスープを、温めなおして自分たちに。

皆さまにご披露して、ご感想をうれしく聞かせていただいたうちのご接待、ことしは年内にあと３組、楽しみなお客さまを予定していて、じつは、まだしばらくドキドキはらはらなのです。

[追記] 16日夜、遅くに添付ファイルつきのお礼メールが。楽しかったシーンのスナップといっしょに、あの「ミ○ランガイド」のパロディがあって「SESENTA & CINCO HOUSE」が3ツ星にしていただいてます!!　こんな遊びには、天才的な人たちだからなあ、とsesentaがうれしそうに、写真にひとコマ追加しました。