2005年 07月 16日
伏見とうがらしの炊いたん |
きょうは祇園祭の宵山。市中から山ひとつ越したここでは、人ごみの気配もまったく聞こえませんが、テレビからでしょうか、お囃しが聞こえてます。京都では、祇園さんが暑さの盛りや、といわれますが、ほんとうに暑い。こんなとき、ちょっとは涼しそうな気分になるために、さらりとしたおかずで昼ごはん。
素材は、今日もお向かいからのいただきもん。やわらかそうな伏見とうがらしです。私たちの住まいは自分のうちが山科区、お向かいの畑が伏見区という境界上なので、このとうがらしは、名実ともにほんまもんの伏見とうがらしというわけです。
あの大村しげさんが、かつてはんなりとした京ことばで書かれて、いちやく全国区の知名度をえた「伏見とうがらしの炊いたん」ですが、一般におばんざいといわれる中でも、ごくごくふつうにある材料を使ってつくるものを、また「おぞよ」といったようです。でも、このことばをいま京都でも聞くことはなくなりましたけど。
で、うちの伏見とうがらしですが、これで京都のおばんざいとは、とてもよう言いません。だって、昨日おそうめん用にとった「お出し」をそのまま煮汁に使います。もちろん、「○○ヤだしのもと」ではなく、煮干しとお昆布で、しっかりとった出しなので、味はほんもの。ただ、低塩にするため、薄口しょうゆは使わず、ふつうの濃口をひかえめです。
とうがらしは、ざっと洗ったら、種もとらず、そのまま2〜3センチに切り、お鍋に入れたところに、そうめんつゆをひたひたにして煮立てます。そのまま汁がなくなるくらいまで、ころがして煮たらできあがり。畑から採りたてのものだと、ときどきびっくりするほど辛いのに当たったりすることもあって、これがまたおいしいです。十穀の入ったごはんに、たっぷりのせて食べれば、しあわせ。
冷たい水にはなした冷ややっこと、キュウリ・ピーマンの千切りを酢・しょうゆ・ごま油であえたキュウリもみがおつきあいです。
素材は、今日もお向かいからのいただきもん。やわらかそうな伏見とうがらしです。私たちの住まいは自分のうちが山科区、お向かいの畑が伏見区という境界上なので、このとうがらしは、名実ともにほんまもんの伏見とうがらしというわけです。
あの大村しげさんが、かつてはんなりとした京ことばで書かれて、いちやく全国区の知名度をえた「伏見とうがらしの炊いたん」ですが、一般におばんざいといわれる中でも、ごくごくふつうにある材料を使ってつくるものを、また「おぞよ」といったようです。でも、このことばをいま京都でも聞くことはなくなりましたけど。
で、うちの伏見とうがらしですが、これで京都のおばんざいとは、とてもよう言いません。だって、昨日おそうめん用にとった「お出し」をそのまま煮汁に使います。もちろん、「○○ヤだしのもと」ではなく、煮干しとお昆布で、しっかりとった出しなので、味はほんもの。ただ、低塩にするため、薄口しょうゆは使わず、ふつうの濃口をひかえめです。
とうがらしは、ざっと洗ったら、種もとらず、そのまま2〜3センチに切り、お鍋に入れたところに、そうめんつゆをひたひたにして煮立てます。そのまま汁がなくなるくらいまで、ころがして煮たらできあがり。畑から採りたてのものだと、ときどきびっくりするほど辛いのに当たったりすることもあって、これがまたおいしいです。十穀の入ったごはんに、たっぷりのせて食べれば、しあわせ。
冷たい水にはなした冷ややっこと、キュウリ・ピーマンの千切りを酢・しょうゆ・ごま油であえたキュウリもみがおつきあいです。
by sesenta
| 2005-07-16 18:17
| 休みのお昼
|
Comments(18)
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hiro235 at 2005-07-16 22:30
デパートの野菜売り場などで、京野菜をよく目にしていました。でも、買ったことがあるのは、九条ねぎだけ(笑) この、伏見とうがらしも、味やおいしい調理法を知らない、勉強不足の私は、青唐辛子の大きい版かししとうの長い版?・・・のように見えてました。^^;
「伏見とうがらし」の伏見って、地名なんですね!知らなかった。
ワインで言うところのAOCだ!すごい、なんか感動♪
今日は、cincoさんのお料理を見て、ほぉ~なるほど♪と目で食べてます(笑)
「伏見とうがらし」の伏見って、地名なんですね!知らなかった。
ワインで言うところのAOCだ!すごい、なんか感動♪
今日は、cincoさんのお料理を見て、ほぉ~なるほど♪と目で食べてます(笑)
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nogaass at 2005-07-17 00:28
伏見とうがらしですか・・・お恥ずかしいですが、ししとうとは違うんですよね??見たことないかもしれません。味はししとうみたいですか?
ししとうは大好きですね、時々辛いやつに当たってもへっちゃらです。
すいません、話がししとうにずれてました(^^;)
夏を乗り切るランチ!って感じですね!
ししとうは大好きですね、時々辛いやつに当たってもへっちゃらです。
すいません、話がししとうにずれてました(^^;)
夏を乗り切るランチ!って感じですね!
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tatsukoy at 2005-07-17 03:20
ほんとうにそこは京都なんですね~。
『~の炊いたん』ってとっても素敵な響きです・・・。
今日は久しぶりにファーマーズマーケットに行ってきました。
新鮮な無農薬のお野菜や果物が露天で売っている市の事です。
ここカリフォルニアにはいたるところでこんな直販市が開かれるんですね。これからはもっと頻繁に行こう。
『~の炊いたん』ってとっても素敵な響きです・・・。
今日は久しぶりにファーマーズマーケットに行ってきました。
新鮮な無農薬のお野菜や果物が露天で売っている市の事です。
ここカリフォルニアにはいたるところでこんな直販市が開かれるんですね。これからはもっと頻繁に行こう。
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cinco
at 2005-07-17 10:43
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>hiro235さま
「甘長とうがらし」ということもあるようで、あまい(といっても、もちろんお砂糖の甘さではないですけど)のが特長らしいです。ですから、こんなふうにただ炊いたり、金アミのうえで焼いて、生じょうゆをかけて、というのがいちばん、なんて言われてます。hiroさんのおっしゃるように、最近はある種の「ブランド」ものになっているので、お高くとまってるみたいですけど、結局のところ、地場のものを新鮮なままいただけけば、何でもおいしいっていうことですかしら、ね。
「甘長とうがらし」ということもあるようで、あまい(といっても、もちろんお砂糖の甘さではないですけど)のが特長らしいです。ですから、こんなふうにただ炊いたり、金アミのうえで焼いて、生じょうゆをかけて、というのがいちばん、なんて言われてます。hiroさんのおっしゃるように、最近はある種の「ブランド」ものになっているので、お高くとまってるみたいですけど、結局のところ、地場のものを新鮮なままいただけけば、何でもおいしいっていうことですかしら、ね。
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cinco
at 2005-07-17 10:44
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>nogaassさま
ししとうと、もとは一緒なんだと思います。年月をかけて、いかにもこの土地好みの、柔らかい味に育てて来たものなんでしょうね。
nogaassさんのところは、いつもどおり、おいしいものづくめ、それに加えてほのぼのした展開があって、ますますハッピーな雰囲気、すてきですね。
ししとうと、もとは一緒なんだと思います。年月をかけて、いかにもこの土地好みの、柔らかい味に育てて来たものなんでしょうね。
nogaassさんのところは、いつもどおり、おいしいものづくめ、それに加えてほのぼのした展開があって、ますますハッピーな雰囲気、すてきですね。
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cinco
at 2005-07-17 10:45
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>tatsukoyさま
このあたりの、古都の趣は、ninuckeyさんのほうが、ほんものだと思いますよ。「〜炊いたん」に感じるような"はんなり"した情緒は、私のような他所ものには、なかなか真似できしまへんえ。
カリフォルニアの野菜市なんて、胸が躍ります。Tammi's kitchenの写真を見せていただいただけでも、すっごいスケールが想像できます。日本では最近肩身が狭そうになってしまったカリフラワーが、堂々としてますね。
このあたりの、古都の趣は、ninuckeyさんのほうが、ほんものだと思いますよ。「〜炊いたん」に感じるような"はんなり"した情緒は、私のような他所ものには、なかなか真似できしまへんえ。
カリフォルニアの野菜市なんて、胸が躍ります。Tammi's kitchenの写真を見せていただいただけでも、すっごいスケールが想像できます。日本では最近肩身が狭そうになってしまったカリフラワーが、堂々としてますね。
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cafe_avenir at 2005-07-17 13:32
あら~。鮮やかなグリーンがキレイですね☆
「伏見とうがらし」というのは基本的には優しい辛さなのですか?
こんなにご飯にたっぷりのっていると「ひえ~!辛そう~(◎o◎)」
と思ってしまうのですが・・・。よく煮ているから大丈夫なのかな?
とにかく、いつもいつも素敵な食卓でお邪魔したくなっちゃいます♪
「伏見とうがらし」というのは基本的には優しい辛さなのですか?
こんなにご飯にたっぷりのっていると「ひえ~!辛そう~(◎o◎)」
と思ってしまうのですが・・・。よく煮ているから大丈夫なのかな?
とにかく、いつもいつも素敵な食卓でお邪魔したくなっちゃいます♪
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tatsukoy at 2005-07-17 14:49
>カリフラワー
あまり買わない食材で、どうやって食べようかなーと、悩み中です・・・(爆)
あまり買わない食材で、どうやって食べようかなーと、悩み中です・・・(爆)
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little-madam.yuka at 2005-07-17 15:16
とうがらしを食べた事がなかったので、またまた新しいお料理に興味津々です♪♪
「たまに辛いのに当たる」との事なので基本的には、そのとうがらしは
あまり辛くない品種なんでしょうか?それとも辛さを味わうお料理なんでしょうか?
なんだか、質問だらけで申し訳ないのですが「炊いたん」っていうのは
どういった言葉なんですか?京都の言葉で「炊いた物」っていう意味でしょうか?
「たまに辛いのに当たる」との事なので基本的には、そのとうがらしは
あまり辛くない品種なんでしょうか?それとも辛さを味わうお料理なんでしょうか?
なんだか、質問だらけで申し訳ないのですが「炊いたん」っていうのは
どういった言葉なんですか?京都の言葉で「炊いた物」っていう意味でしょうか?
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cinco
at 2005-07-17 16:01
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>cafe-avenirさま
つまり、こうやっててんこ盛りにしても大丈夫なくらい、辛くないんです。
この炊き方も、お家によってそれぞれで、もっとおしょうゆ色の、つくだ煮っぽい
煮方もあれば、うんとカツオのだしをきかせて、っていうお宅もあり‥‥
それがお惣菜っていうものの姿なのでしょうけど。
つまり、こうやっててんこ盛りにしても大丈夫なくらい、辛くないんです。
この炊き方も、お家によってそれぞれで、もっとおしょうゆ色の、つくだ煮っぽい
煮方もあれば、うんとカツオのだしをきかせて、っていうお宅もあり‥‥
それがお惣菜っていうものの姿なのでしょうけど。
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cinco
at 2005-07-17 16:02
x
>tatsukoyさま
むかし、こんなにブロッコリが市場になかった頃には、カフラワーはよく
食べたと思うのですが、なにしろその頃はレシピも何も気にしない時代でしたから。
tammiさんのところのバスケットにりっぱなカリフラワーが入ってるのを見て、
あわよくば、おもしろいレシピがあるのではないかと‥‥
むかし、こんなにブロッコリが市場になかった頃には、カフラワーはよく
食べたと思うのですが、なにしろその頃はレシピも何も気にしない時代でしたから。
tammiさんのところのバスケットにりっぱなカリフラワーが入ってるのを見て、
あわよくば、おもしろいレシピがあるのではないかと‥‥
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cinco
at 2005-07-17 16:03
x
>little-madamさま
私は10代から20代の娘のころは、関東が長かったもので、結婚して京都に落ち着いてから
お野菜の種類の多いことに驚きました。山に囲まれて、
水のゆたかな独特の風土が生んだ味なのでしょうか。
この伏見とうがらしは、上にも書きましたように、ぜんぜん辛くないです。
(といって、ときどきとんでもなく辛いのに当たることがありますが、それは運しだい)
「炊いたん」は大正解。この京ことばそのままがお料理の名前に定着してしまったみたいで、
北村光世さんも、ご本のなかにこの名前で書いていらっしゃいますね。
私は10代から20代の娘のころは、関東が長かったもので、結婚して京都に落ち着いてから
お野菜の種類の多いことに驚きました。山に囲まれて、
水のゆたかな独特の風土が生んだ味なのでしょうか。
この伏見とうがらしは、上にも書きましたように、ぜんぜん辛くないです。
(といって、ときどきとんでもなく辛いのに当たることがありますが、それは運しだい)
「炊いたん」は大正解。この京ことばそのままがお料理の名前に定着してしまったみたいで、
北村光世さんも、ご本のなかにこの名前で書いていらっしゃいますね。
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little-madam.yuka at 2005-07-18 15:53
またまた勉強になりました♪
「伏見とうがらし=からくない」と「炊いたん=炊いた物」♪
そして♪どちらも京の物と頭にインプットしました♪♪
ホントいつもいろいろ教えて頂けて♪とてもありがたいです♪♪
「伏見とうがらし=からくない」と「炊いたん=炊いた物」♪
そして♪どちらも京の物と頭にインプットしました♪♪
ホントいつもいろいろ教えて頂けて♪とてもありがたいです♪♪
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cinco
at 2005-07-18 20:52
x
>little-madamさま
いえいえ、生まれついての京都ではないので、この年でも知らないことばかり。
ことに、「京ふう」の煮ものなどは、土地のかたでなくは、ということがいくらもあります。
それより、.yukaさんのお里帰りレポート、とても楽しく読ませていただいてました。
名古屋って、こんなに近いのに、ぜーんぜん知らなくて。みそカツも未経験だし。
あ、両口屋是清さんの、「たびまくら」大好きです。ずいぶん何度も送ってもらってました。
いえいえ、生まれついての京都ではないので、この年でも知らないことばかり。
ことに、「京ふう」の煮ものなどは、土地のかたでなくは、ということがいくらもあります。
それより、.yukaさんのお里帰りレポート、とても楽しく読ませていただいてました。
名古屋って、こんなに近いのに、ぜーんぜん知らなくて。みそカツも未経験だし。
あ、両口屋是清さんの、「たびまくら」大好きです。ずいぶん何度も送ってもらってました。
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little-madam.yuka at 2005-07-19 15:11
確かに京都と名古屋って遠くはないのですが、名古屋は京都のように
素敵な観光名所やイベントがないので京都の方に限らず、他県の方が名古屋に
いらっしゃるっていうのは残念な事になかなか無いんですよねー。。
なので今は万博のお蔭で、いろいろな県の方々が名古屋に足を運んでくれて
名古屋をもっと知ってもらって好きになってくれれば嬉しいなって思うんです♪
私も両口屋是清の「たびまくら」大好きです♪美味しいですよねー♪♪
って「みそカツ」を食べられた事がないとは残念です。美味しいんですよー♪♪
赤味噌が好きな人にとってはですけど。(笑)私は「みそカツ」大好きですが
赤味噌事態が賛否両論なので、こればっかりは強くは言えません。(笑)
素敵な観光名所やイベントがないので京都の方に限らず、他県の方が名古屋に
いらっしゃるっていうのは残念な事になかなか無いんですよねー。。
なので今は万博のお蔭で、いろいろな県の方々が名古屋に足を運んでくれて
名古屋をもっと知ってもらって好きになってくれれば嬉しいなって思うんです♪
私も両口屋是清の「たびまくら」大好きです♪美味しいですよねー♪♪
って「みそカツ」を食べられた事がないとは残念です。美味しいんですよー♪♪
赤味噌が好きな人にとってはですけど。(笑)私は「みそカツ」大好きですが
赤味噌事態が賛否両論なので、こればっかりは強くは言えません。(笑)
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cinco
at 2005-07-20 00:26
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>little-madamさま
せっかくのご縁ですから、これを機会にもっと名古屋を勉強させていただきます。
でも、ほんと不思議です。たったこれだけの距離なのに、お味噌ひとつでも、こんなに
違うなんて。どうぞコーチをよろしくお願いいたします。
せっかくのご縁ですから、これを機会にもっと名古屋を勉強させていただきます。
でも、ほんと不思議です。たったこれだけの距離なのに、お味噌ひとつでも、こんなに
違うなんて。どうぞコーチをよろしくお願いいたします。
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yunko33 at 2005-07-30 20:56
『甘なんばん』というとうがらしを見つけたので、cincoさんのブログを見ながら作ってみました。(といっても私のは出来合いの出しでお手軽なのですが ^^;)
ししとうとは全然違ったもっと優しい味でとても美味しかったです。ごちそう様でした♪
『甘なんばん』の記事、トラックバックさせていただきました。
ししとうとは全然違ったもっと優しい味でとても美味しかったです。ごちそう様でした♪
『甘なんばん』の記事、トラックバックさせていただきました。
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cinco
at 2005-07-31 10:42
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「甘なんばん」って、いい響き。とうがらしのことを「なんばん」って
呼ぶところがあるのも知りませんでしたけど、万願寺と伏見の交配種が山形でできて、
それをお料理されたyunkoさんの記事をこうして見せていただけるなんて、
なんてふしぎな時代になったんでしょう。
TBから伺ってみたら、また別の気分でした。ありがとうございます。
すてきなお弁当を見られなくてちょっと残念ですけど、お母さんはホッとひといき?
呼ぶところがあるのも知りませんでしたけど、万願寺と伏見の交配種が山形でできて、
それをお料理されたyunkoさんの記事をこうして見せていただけるなんて、
なんてふしぎな時代になったんでしょう。
TBから伺ってみたら、また別の気分でした。ありがとうございます。
すてきなお弁当を見られなくてちょっと残念ですけど、お母さんはホッとひといき?