シタビラメのハーブ焼き

毎週末、イキのいい海の幸をトラックに積んできてくださる、長年おなじみのお魚やさん、このごろは「いつもおんなじもんばっかりで、すんまへん」とあやまられることが多くて、こちらが恐縮してしまいます。

まわりを海に囲まれて、限りない自然の幸に恵まれていると思っていた昔からすると、お魚の数も種類もかなり少なくなって、どうしたのかしらとすこし心配になってくるこのごろです。

それでも、先週持ってきていただいたのは、きれいなアカシタビラメ。シタビラメというと、フレンチの大ごちそうのイメージがあって、なかなか手が出せなかったものですけど、お魚やさんにじょうずな皮のむき方を教わってから、お料理するのがおもしろくなりました。

やわらかい外観に似ず、けっこう固いウロコをとったら、色の濃い側のエラ近くに包丁を入れ、裏返して頭を持ち、尾のほうに引いてむきます。むきにくいうら側も、指先に塩をつけ、すべり止めにしてきれいにむきます。

魚をマリネするために、庭からとってきた、パセリ、マジョラム、セイジ、ローズマリーなどのハーブとニンニクをきざみ、塩・コショウとオリーブ油をまぜておきます。これを器に入れて魚を漬けると、またお皿をよごすことになるので、一尾ずつをアルミホイルで囲い、マリネ液をかけました。これはこのレシピのお手本、カルミネさんおすすめの方法です。

なにぶん小さめサイズのお魚で、あちこちくっついて目減りするのも惜しいので、この焼きかたは理にかなっています。このままオーブンに入れて20分ほど焼き、いい色がついたらお皿へ。sesentaはナイフとフォークですけど、私は慣れたお箸で。

ハーブをとりに庭におりたとき見上げたら、青柚子が、もう大きくなっています。ひとつとって、小さいグラスに氷とハチミツを入れた上にしぼりました。

ずいぶん前、近江のほうでお庭を拝見したときに、出していただいた青柚子のしぼったのがおいしかったのを、思い出して、アペリチフではないですけど、カッコつけて食前に暑気ばらい。(お酒は入っていません)

フレンチのコースでお目にかかるようなのでは、もちろんなくて、かわいいのでしたけど、それでもさすがシタビラメ、ちょっとしたひと皿になりました。