とら豆のミネストローネ

季節感を求めて、お豆の料理をつくりたくなりました。またあっちこっち本を探していたら、「豆食いトスカーナ」の文字が、「ロレンツァさんちのトスカーナのごちそう」というご本にありました。
トスカーナの人たちは古くから豆好きで知られていて、豊富な豆料理のレシピがあるのだとか。ただ、それも最近ではイタリアでも手早い料理が好まれて、時間のかかる豆料理は敬遠されているというお話‥10年ほど前の本の記事ですけど、ますますそうなっているのでしょうか。

そういえば日本でも、昔はもっとお豆を使っていました。向こう三軒両隣りのおつき合いは、小鉢に盛った「うちの煮豆」の自慢からだったと、下町育ちの私の記憶です。それがいつの間にか、だんだんと影がうすくなってきたのは、お年寄りがあまりお料理をしなくなったということもあるかも知れません。

そんなわけで、探し出してきたのは、とら豆を使ったミネストローネ。とら豆を使ったのには、べつに意味はなくて、ただ、お豆でも煮ようかと、前日から火にかけていたのがあったからです。

鍋にオリーブオイルでニンニクを炒め、じゃがいも、にんじん(皮をむいて小さく角切り)、くし型に切った玉ねぎ、やはり小さく切ったズッキーニ、さやいんげんを入れて炒めます。かたい材料に火が通ったら、キャベツと青菜(きょうはほうれん草の代わりに、白菜の間引き菜を使いました)を入れ、よく油がまわったら水をひたひたに入れます。

ここにチキンスープの素を少し加えて、40分煮ます。やわらかく茹でたとら豆と、きざんだトマトを入れ、さらに10分ほど煮ます。

仕上げに塩・コショウして、セイジの葉をかざってでき上がり。お野菜いっぱいのミネストローネは、これだけでもう十分、ごちそうさま、っていう感じです。