りんごのクレープ

10月の声をきいて、楽しみのひとつは、大好きなりんごに会えること。ことしも、信濃大町の駅まえの青果店さんから、粒選りの紅玉を送っていただきました。

最初のこどもがお腹にいるころ、しばらく白馬村に滞在したことがあって、ちょっと立ち寄った大町で甲州ぶどうをひと房買って、大糸線の列車の中で食べた、そのとき以来のおつきあいで、もう数十年。お電話でむこうの奥さまのお声を聞くだけなのですけど、うれしいつながりです。

季節が移り変わるごとに、種類の変わるりんごをお願いして送っていただいて、前にも書いたと思いますけど、最初のころ「ピンクゴールド」という、ゴールデンデリシャスにピンク色をぬったような、それはきれいなピンクのりんごがあって、これがうちの一番のお気に入りでした。

りんごの栽培品種も、つねに世代交替があるようで、このピンクゴールドも「幻のりんご」になってしまいました。そんな中で、紅玉もだんだん市販では手に入りにくくなってきて、お料理には欠かせない、このすばらしい酸味のりんごを、毎年、宝石のようにだいじにだいじに、いただいているのです。

信州から届いた真っ赤なりんご、ここのところ口あけは、毎年これと決めているような「りんごのクレープ」を、上野万梨子さんの「はじめまして。フランス料理」からのレシピをもとに(用量などはうち向きにして)、焼きました。

紅玉1コの皮をむき、芯をとって小さく切り、鍋に入れてひたひたより少なめの水でグラニュー糖大サジ1とラム酒少々を入れて、水のなくなるくらいまで柔らかく煮ておきます。

クレープ生地は、全卵1コを泡立て器でほぐし、牛乳140cc、グラニュー糖大サジ1、塩ひとつまみを入れてよく混ぜます。小麦粉60gを2度ふるってよく混ぜ、そのまま室温で休ませます(半日以上)。

焼く前に、休ませた生地に溶かしバター20gを加えて混ぜます。

フライパンを弱火でよく温め、バターを引いてお玉1杯ぶんくらいの生地を流して、うすく焼き色をつけて両面焼き、煮ておいたりんごをのせて巻いて、シナモンの粉を振ります。

カロリーを抑えるべく、生クリームはなしですけど、せっかくの紅玉の色が欲しいので、皮付きでスライスしたものをバターとお砂糖でソテーして、添えました。お茶の時間にこれでは重いので、今日はこれがランチです。