ただいま満開

うちの中に、まあこんなにお花があったかしら、と思うくらい毎日いろんな花が咲いてくれる4月、少し遅れていた2本のソメイヨシノも、やっと満開です。毎年おなじアングルですけど、ことしはワンワンの日に間に合って、ベラちゃんが増えたぶん、にぎやかになりました。

前回、私のつたないお弁当をご披露しましたのに、皆さまの思い出のお弁当のお話を、たくさん聞かせていただいて、ありがとうございました。

私たち自身のこどもの頃は、お弁当箱に詰められないごはん(芋粥ですとか、すいとんですとか‥)の時代を過ごして、その思いばかりがよみがえってしまうので、いまこうしておままごとのお弁当ごっこは、ほんとうに楽しませてもらっています。

結婚したばかりの20代には、sesentaの実家近くに住んでいたので、「お弁当食べにいきましょ」と義母にさそわれて、いえ、お店に行くのではなく、近くの賀茂川の土手に手づくりのお弁当を携えて行ったのでした。

まだ、土手の道を走る車も、数えるほどで、正面に比叡山を見ながら、のんびり静かなお昼の時間でした。

義母が、手近かな残りものをちゃっちゃと、でこぼこのアルミのお弁当箱につめて作ってくれたのは、お弁当といっても麦めしのお冷やごはんに、目ざしかお豆の煮たのを詰めたくらいのもので、そんなごはんですから、空の色や川の音がなによりの味つけになっていた気がします。

そんなことをあれこれと思い出しながら、作ったのは、ミニお客さまにお出しした、お昼のかんたんおもてなし。

スズキをおろして冷凍してあったので、庭からセイジ、タイム、ローズマリーをとってきてのせ、オリーブ油をかけてフォイルに包んで焼きました。

付け合わせのお野菜は、玉ねぎ、ズッキーニ、ピーマン、なす、トマトそれにピクルスと松の実の入ったカポナータ。さっと焼きめをつけたたけのこと茹でたウルイ。スープは、青ネギにバター少々と牛乳のほかは何も入っていないネギだけスープ。スパイスは、コリアンダーをつぶして振ってあります。

好天続きに開ききった桜が、早やつよい風にテーブルにまで散りしきって、春は来るのも、往くのもハイテンポです。